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経済と不動産の流動性


草野 裕樹

 最近になり世界的な金融不安が広がっている。特に我が国通貨である「円」は急激に上がり、輸出や株価に大きな影響を与えている。3か月前までは石油に対して投機資金が流れたこともあって、ガソリン価格や石油製品の高騰、それに端を発する二次的な値上がりがあった。現在石油関連については落ち着きを取り戻し、大きな混乱にはなっていないが、その余波の影響は大きく爪痕を残している。

 以上のような経済上の波は不動産業界にも大きな影響を与える。まず、ガソリン価格の影響により経費的な費用の増大、内装や補修に使う資材や部品の値上がりなど大きな影響から小さな影響まで起こっている。また、経済が混乱することで、社会が混沌とし、企業で持っている不動産の放出なども起こってきている。

 実際問題として経済の動きと不動産はどのような関連があるのであろうか。

 まず、目に見える関連性としては市場に資金がなくなっていくため、不動産の流動が鈍化しストックが増大する。これは賃貸でも売買でもいえることで、家計における資金のストックがなくなってこればフローとしての資金流動は控えられて鈍化していくということなのである。この状況は一度発生すると簡単には脱却することはできない。よって供給としての不動産はあるが、需要が控えられているためキャッシュなどが動かず供給のみがストックされて価格の下落につながるという循環が出来あがる。

 しかし、その反面、上記のような状況下においては、今までは手に入らなかったような品物も価格の下落によって手が届くようになり、自ずと自浄していく作用も有している。実際今まで10万円でレンタルされていたものが7万円に価格が下がれば、手の届く人たちの幅も増えて消費は少し上向く。ただし、供給する側は入ってくる収益が減るため、より数を増やして薄利ではあるが純益を伸ばそうとする傾向となる。その傾向をいかに調整し供給と需要のバランスを取るかが大きな選択肢となり、結果経済がどのように進んでいくかという道のりになる。

 不動産市場を見てみると今まであまり出てこなかったような物件が安価で出ている時がある。それを見て欲しい・借りたいと思う人は少なからず出てくる。広告を出せば反響があるのだから、実証されているようなものである。しかし、それが売り上げにつながらない時がある。経済が混沌とし、供給と需要のバランスが崩れたとき経済は混乱をきたすが、それをチャンスと思うか諦めてしまうかというメンタル面において、実収益となるか、落ちていくかの分かれ道があるのだと思う。トータルしてみると不況時は収入こそ落ちるものの、需要が全くなくなってしまうわけではない。いかに客を呼び込み、自分の持つ商品の優位性をアピール出来るかで、荒波は乗り切れると思う。つまり、景気後退時のポイントはいかに優位に他の物と戦うかを考えることに尽きるのである。客体が望むものを100%提供するのは難しくても、それに近づけることは可能であるため、そのコミュニケーションをとることが一番の打開策なのではないだろうか?