マンション投資の鉄人

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第九の鉄人

先進国で不況は日本だけ。 : 投資のうまみが有るのも日本だけ。

神奈川県厚木市在住 S.M.(不動産コンサルタント)

なにか、日本人の皆さんは世界中が不況のように思われていて非常に滑稽ですね。現在先進国で不況なのは日本だけです。本当に井の中の蛙大海を知らず、そのものです。

英国がいかに好況を謳歌しているか、リーのメールの一部を紹介しましょう。


『英国の不動産ブームはヨーロッパに広がりました。だいぶ前になりますが、不動産価格の上昇が始まった時、あなたは私に湖水地方やその他の類似の場所を買うようにリコメンドしました。これらの地方の価格ももちろん上昇しましたが、それから英国の北の田舎まで上昇しました。


英国の不動産価格の上昇の継続と非常に低い金利のおかげで、現在皆使い切れないお金を持っています。富裕層は南フランスや南スペインやイタリヤのトスカーナにセカンド ホームを買いました、そして年金生活者は移住してしまいました。そして、これらのエリアもあなたが言ったように上昇しました、そして現在皆投資の対象として次の新しいエリアを探しています。そうなのです、欧州全体の不動産が景気づいているのです。

現在EUに新たに加盟したたくさんの国があります、投資家の不動産価格が上昇するという予測のせいで、ブームはそういうどうしようもないような国、ハンガリーやラトビアにさえ伸びようとしているところです。』


どうですか、信じられないでしょう。5年くらい前ですかもはやネガティブエクイティ(借入れ残金以下の価格の不動産)は存在しないと言っていましたが、今度は使い切れないお金を持っているなんて事を言っています。まあ、現実に7000万人の国民の内100万人が移住したという事はマネーワイズにも書いてありましたから、実際のところそんなに過激でもないのです。

FRBのグリーンスパン議長も言われていましたが、不動産価格の上昇というのは本当に国民の気持ちを昂揚させるのがよくわかります。

ハッハッハ、日本と同じバブルだよ、と思われる人もいるでしょう。正直私もそう思いたいのですが、残念ながらどうもバーストしそうにありません。


という事で、日本は先進国では一人負けです。以前私が売り食いする地主のようなものだと言った意味がわかってもらえたでしょうか。

とはいえ、実際のところ富裕層とこれを読まれている皆さんにとって、不況は下げで儲けるチャンス以外の何物でもないのです。本当に今回の不況は富の偏在を恐ろしいほど進めました。この不況で富を増やさなかった人は完璧に戦略的な布石を誤ったと自覚した方が良いでしょう。そして、失敗のツケはこれから生活水準の低下という形で払うのです。


ところで、ジュエリーはコレクターズ アイテムとしては究極ですね。ジュエリーもボーンチャイナと同じで造形美を楽しむ最高の芸術品と気付きました。私は造形に関しては、昔一緒に仕事をしたスタイリストの杉島さんの、『究極の造形は河原の石のように自然』という言葉が印象に残っていますが、優れた造形と言うのはたとえ複雑な形状であっても、頭に違和感無くすーっと入って来て精神に力をもたらしてくれると思います。石のパワーなんて言い始めるといかがわしくなりますが、ヘレンドのハプスブルグバードや優れた造形のジュエリーが相対的に安価で芸術を楽しめるというのは事実ではないでしょうか。頭を使われる方は試してみられると良いと思います、優れた芸術品は必ず精神に干渉します。

リーがハンガリーの事をよく言っていませんが、私はハンガリーは好きなのです。このヘレンドというのはハンガリーに有るのです。そう、ハンガリーのハプスブルグと言えばもうおわかりでしょう。


若き投資家の皆さん、ニーチェが音楽に非常に拘ったように芸術というのは形而上学的な意味で非常に重要です。『美は力に発し、甘美に至る。』ミケランジェロの言葉ですが、芸術家によって想像された美は、今度は見る者に再び力を与えます。精神を昂揚させ、常に引かれた弓のような状態においておく事は戦略家には不可欠です。なぜならば、精神が研ぎ澄まされた時しかブラフマンに触れる事はできないのです。

まあ、ブラフマンを感じる事ができれば富とか財とかまた逆にたわいも無いという事に気付く事もできるのですが、価値観の倒錯が倒錯と思われていない現代社会では不愉快な事を避ける為に残念ながら財力は必要ですね。