マンション投資の鉄人

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第二十五の鉄人

Ⅱ.今後の展開を考える 私のマンション投資の20年(11) 管理費・修繕積立金のバランス

鳥取県在住 T.T.

キャッシュフローはローンが終われば管理費・修繕積立金との戦いです。管理費の安い(適正な)物件を買いましょう。修繕積立金ではありません。管理費は建物管理会社に支払います。修繕積立金は管理組合に積み立てられていきます。管理費、正確には管理委託費といいます。組合員は管理委託契約を建物管理会社と結んでいます。そして契約内容が詳細に記されたものを書面で持っています。見ると、私の所有するマンションで管理委託費が他の物件よりかなり高いマンションがあります。

管理委託費には「基幹事務」「基幹事務以外の事務管理業務」「管理員業務」があります。それぞれの内容はオーナー(区分所有者)が持っている管理委託契約書に記されていますし、支払う金額も、まあ、そんなもんなの!?と一応の納得はできるのですが、「管理員業務」の費用が高いのです。「管理員業務」についてはだいたい仕事内容は想像できます。共用部の清掃がメイン、あとは業者立ち合いや簡単な居住者対応等のハズです。そこに年間400万円強かかっているのです。今、400万の年収もらえる仕事ってなかなかないと思います。でも管理員さんってそんなに高い年収もらっていません。多くは管理会社利益です。もちろん管理会社に管理業務してもらったうえで報酬を支払い、利益を得ていただくことは問題ないと思いますが、その金額が適正であるか?ということです。

他の同規模物件と比較してみて、もしくは、他の管理会社に見積もってもらってどれくらいでいけるのか。金額が妥当か、ということです。割高なら組合の中で協議して管理費を減額してもらい、その減額した分、組合員の財産である修繕積立金の方に回したほうが得策です。当分修繕積立金の上昇を抑えることができる場合があります。自分の物件の管理会社に支払う管理費は適正なのか?と今一度確認してみるといいと思います。

ちなみに、マンション投資として購入する物件の「管理費等(管理費・修繕積立金など)の金額は、家賃の30%以内まで」としておくのが目安です。30%オーバーしているようなら修繕積立金が大規模修繕を考慮して5年ごとに見直され適正であれば、やはり管理費がなんらかの理由で高すぎるのだと思います。管理費・修繕積立金の合計が家賃の30%を超える物件は、将来負担になるリスクがあります。修繕積立金残高が大規模修繕を視野に適正に推移しているかどうかは、総会議事録等にグラフで可視化されたのもが添付されていたりしますので、確認してみると面白いです。

仮に国交省のガイドライン通り進み、3回目、築36年後の大規模修繕を視野に入れると残高不足になるケースが多く、事前に2回目の大規模修繕の前の築20年迎えるあたりからは修繕積立金はさらにスライド上昇していくのが一般的です。当然家賃も下がってきますから管理費等の合計が家賃の30%をオーバーしていくこともありうると思われます。賃貸経営は運営面で難しい局面を迎えます。

北大前の物件は築34年ですが、5年ほど前にそれまで少額だった修繕積立金が大幅アップになりました。それでも一昨年、共用部の給排水管の取り替え工事が資金不足でできず、銀行からの借入金でまかなっています。以前の修繕積立金が安過ぎたのでしょう。結果論で言えば、大規模修繕に向けた計画の見直しとそれに伴う修繕積立金の見直しが適切になされていなかったと言わざるをえません。管理組合で借金していますが、管理組合の借金イコール私たち組合員一人一人の借金であり、債務割合はマンション共用部分の持ち分割合です。