マンション投資の鉄人

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第九の鉄人

「失敗」こそアドバンテージ。:40代に贈る、最初から鋼(はがね)の鉄は無い。 part1

神奈川県厚木市在住 S.M.(不動産コンサルタント)

以前、40代の戦略で債務超過状態からの脱却方法について紹介しましたが、世の中本当に投資マンションが値下がりしてくよくよされている方が多いのには驚きます。でも私はこういう人達は「失敗から何を学ぶべきか」ということに気付かれないことこそ問題だと思うのです。過去運が悪かったにせよ、本当に運がなければ我々は既にこの世にいないでしょう。まだ生かされていることの意義を考えなければいけないと思うのです。

そこで、私の過去10年のリバイバルを紹介し、皆さんに元気を出して頂きたいと思います。

バブル崩壊から10年経った現在だから私もこんなことガ書ける余裕が出てきました。しかし、‘91年は大変でした。マルコーの海外不動産3000万円を自己資金で購入してしまったためマルコーの倒産でローンだけ残ってしまったのです。それに、’92年1月の英国への赴任の時期も迫って来ておりました。こういう状況で海外へ赴任しなければならないのは本当に精神的に過酷でした。

とはいえ現在思うに、結果として新たな気持ちで英国での生活を開始したことが良かったのかとも思います。この英国で気持ちの癒しに特に良かったのが、シチズンという無料で1週間毎に配布される東京ショッパーのような新聞でした。この新聞には別冊でプロパティーという売り家の広告が付いておりました。英国人は収入に応じて家を生涯で数回買い替えるので中古住宅市場が非常に発達しております。広告も日本でいうと中古車の広告に近いもので、毎週数百件の中古物件や新規物件が写真入りで出ておりました。

3度の飯より不動産という状態でしたので、数ヶ月で英国での不動産の価格の相場感は身に着きました。また、幸いだったのが英国人は家の話をするのが本当に好きだったことです。これで、価格変動についての情報も仕入れることができました。そこで驚くべき事実を知りました、なんと’89年以降’91年までに英国の不動産価格は既にピークに対し5割近く下落していたのでした。こんなことも知らず日本で’90年になって仕込んでいた自分の愚かさを知りました。また、価格が下がっていたから当然と言えば当然なのですが、家の価格に対し家賃が異常に高いということです。実利回りで7%を超えていました。当時日本ではワンルームでさえ2%程度でしたからこの差に非常に驚きました。全く家賃を払うのがばかばかしくなりました。

こういう私にとって反攻のチャンスが来ました、そのようなスタディの結果のアクションは1つです。なんと赴任して2ヶ月目に家を買ったのです。もちろん私には資金がないので妻の貯金を日本から送金してもらい頭金にしてローンを組みました。さすがに中古はだまされるとまずいのでテイホームという大手デベロッパーの新築物件にしました。それは湖のほとりのすばらしい家です、週末にはよく湖畔をサイクリングをしたものです。しかし、これがなんと1400万円なのです。当時日本で1400万円なんて博多のワンルームの値段でした。全てがすんなりいったわけではありません。例えばローンです、英国ではモーゲッジというのですが、当時説明を受けてもわからないことがたくさんありました。後でわかったのですが、返済の方法が日本のように元金と利子を返済する場合と利子だけ払い続け契約が終了するときに元金分を清算する方法があったようで英国人はこちらを選択するケースが多いということでした。まさかこんな返済方法があるなんて全く信じられない話でした。

ちょうど同じ時期英人と同棲中の通訳の日本人女性の鈴木さんも家を買ったということで、彼女からもいろいろ話を聞くことができました。彼女はバーンコンバージョンという古い農家を改造した家を買ったそうで自然志向の強い英国人には非常に人気の有る仕様だということでした。英国人が駅の周辺ではなくひなびたカントリーサイドを好むこと等色々話を聞くことができました。


次回part2に続く・・・