マンション投資の鉄人

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第九の鉄人

50代:インフレヘッジなくして安泰なし part1

神奈川県厚木市在住 S.M.(不動産コンサルタント)

50代、近い将来のリタイヤに向けて最後の仕上げをする時期です、あなたはリタイヤ後に現在の生活水準を維持できる収入の用意ができていますか。年金などたかだか年400万円です、大卒の新卒のような収入で夫婦2人が社会的対面を保てるような生活水準を維持できるわけがありません、少なめに見積もっても年収でもう2-300万円は必要でしょう。あなたは貯蓄と退職金と合わせて5000万円は有るなんて安心していませんか。5000万円もあれば一見貯蓄を取り崩していけば20年は持つような気がします。しかし、問題はインフレによる貨幣価値の低下なのです。

私は以前から日本の競争力の低下による円安→輸入インフレとアジア諸国の台頭による原油価格の更なる上昇というダブルパンチによるインフレの懸念があると警告しております、競争力の低下は欧州先進諸国が過去30年その道を歩んできたという事実、原油価格は需給バランスという市場原理からの予想です。ロシア危機ではノーベル賞をとったLTCMの経済学者でさえ予測を誤る時代です、自分で一番可能性の高いものを信じるしかありません。

この世代の方は高度成長時代、そしてオイルショックを経験されているはずです。給料と同時に物価もどんどん上がりました。OPECの供給調整で最高値を更新するような状況の中でアジア諸国が原油の消費量を増やした時、原油価格が現状を維持できると考える方に無理があるのではないでしょうか?そして今度はどんどん上がる給与収入が無いのです、あるのは破綻が懸念される年金制度なのです。5%のインフレは10年でお金の価値(購買力)を半分にしてしまいます、20年持つはずの資産が10年しかもたなくなってしまいます。もし70歳近くで貯蓄がショートしたらどうなるのでしょうか、もはや収入を増やすことは不可能です、この段階で資産を増やそうなんて考えると詐欺にでもあうのが関の山です。結局、政治が悪いとかなんとかぼやきながら年金だけでやりたいこともできず生活していかなければならないのです。本当に考えるだけでおぞましい将来です。

それに支出です、現在の収入から税金と貯蓄分を引いてみてください、現在の消費金額が高額なのに驚かれるはずです、冠婚葬祭等の交際費・子供や孫への支出・車・別荘の管理費等想像以上に支出は存在しております、リタイヤしたからといってすぐにやめられるものではありません。特に社会的地位のあった方ほど世間の目があり生活水準は落とせないものです。

また、リタイヤ後だからこそ発生する支出もあります、私事ですが私の母は毎年友人と海外旅行を楽しんでおりますし、叔父は2年のモデルチェンジ毎に新車に変えるのを楽しみにしております。こういった個人的な楽しみがリタイヤ後できないとしたら何のために現役時代頑張ってきたのか自分の人生全てが空しくなってしまうのではないでしょうか。

少し横道にそれますが、私が最初にコーディネートした例で私の母のケースを紹介しましょう、母は父が亡くなった後も何をすれば良いのかわからず、多くの株をそのまま保有しておりました、当然父が過去数十年にわたり購入してきたものなのでオールドエコノミーと言われる企業のものでバブル崩壊後底値に貼り付き配当も無く将来性も無いものでした。私はこの株を9戸のマンションに変えました。本人は何が起こったのか良くわかっていないのですが、近場にリゾートマンションが買えた上にキャッシュフローがドカンと発生したので悪い気はしていないようです。


次回part2に続く・・・