マンション投資の鉄人

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第十六の鉄人

実録不動産競売の鉄人(5)

札幌市 不動産業 Y.Y.

不動産競売の法則

競売には法則のようなものがあります。 私は今までの経験を基に不動産競売三箇条を作りました。三箇条を基本に物件調査、入札価格を設定すると迷いが少なく、気持ちよく入札することが出来ました。この当時札幌では6割から7割の確立で落札できました。特に投資用マンションでは、自信に満ちていたと思います。

~ 霞ヶ関 東京地方裁判所へ ~

私の顧客は首都圏に多く毎月東京に出張していました。

丁度その頃(平成6年)、以前札幌で一緒に働いていたT氏と横浜で会い横浜で不動産仲介をしていたT氏を責任者として西新宿で事務所を開設しました。目的は首都圏の顧客開拓と東京地裁を中心とした不動産競売。

新宿の事務所を拠点に霞ヶ関の東京地裁へ足を運びました。不安もありましたが札幌での経験を生かせばなんとかなるとの思いでチャレンジしました。

東京地裁は建物も大きくエレベーターは10機以上あり建物内部は迷路のようでした。当時は地下鉄サリン事件も有り裁判所に入るにも手荷物検査や身体チェックなどがあり東京地裁の玄関に入るなり警備員も数名いて物々しい雰囲気だったのを覚えています。

目的の不動産競売の閲覧室は狭く室内は込んでいて昼休みの時などは行列が出来て物件資料を見るのも椅子取りゲームで座る場所を確保するのも大変です。

札幌地裁と違い申請書に記入しなければ物件資料を見ることが出来ず、人気物件は順番待ちで午前中に閲覧申請しても午後にならなければ見れないこともあり、コピー機も3~4台しかなくいつも行列が出来ていました。札幌から来ている私にとっては目的物件をコピー出来ないことが多々あり大変でした。

その後知り合いの紹介で週間東京地裁不動産情報を入手し効率よく物件調査が出来たことは、地方から出向いている私にとっては助かりました。

東京は交通機関が発達していて物件調査はJR,地下鉄、電車の移動で対応し離れたところはタクシー移動。

最初に運試しのつもりで入札した物件は杉並区のワンルームで最低売却価格が350万円くらいで私は、460万円で入札しましたが入札者は、20名以上落札価格は、680万円くらいでした。あまりの価格の開きに今後どうなるか不安になりましたが、前出のT氏と次の入札物件の調査を開始しました。

気を取り直して次回は10件調査した中からワンルームマンションを2件入札することにしました。

1件は世田谷区の駒澤大学近くの物件で最低売却価格356万円もう一つは丸の内線方南町駅近くの物件で最低売却価格453万円で外壁タイル貼りのグレードの高い物件でした。今回の入札は必ずどちらかを落札する決意で思い切った価格で入札しました。駒澤大学の多少グレードの低い物件に756万円、方南町の物件に823万円で札を入れました。

どちらかというと駒澤大学近くのワンルームは落札できるかなという感じでしたが、数日後の開札結果は駒澤大学の物件は1万円差で次順位、方南町は次順位と13万円差で落札しました。どちらの物件も30本近く入札者がいてさすが東京だなと感心したが、T氏とこれでなんとかやっていけると1万円差の駒澤大学は気になりませんでした。

方南町の物件の所有権移転手続きを済ませ管理費等の滞納金43万円を支払いこのマンションをリクルート週間住宅情報に980万円で掲載すると1週間で東京の不動産業者が買付証明書をFAXで送ってきました。業者にはあまり売りたくなかったのですが、これも縁だと思いさっさと売却して東京のスピードに驚きました。

これを契機に東京でも次から次へと入札を繰り返しました。
次回はその辺を・・・・・