マンション投資の鉄人

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第九の鉄人

人間は間違いをする。だから、それを考慮したシナリオを作る。

神奈川県厚木市在住 S.M.(不動産コンサルタント)

 あなたは小学校でも中学校でもいいですが、100点を何回とった事が有りますか?おそらく、つまらないミスで惜しい思いをした事が何度も有るのではないでしょうか。
 こういう現実が有るのに、投資となると完全を求める人が大勢います。いや投資に限った話では有りません、この感情が肥大化すると社会との関係にさえ精神が萎縮し引篭もりになってしまいます。

 ミスは無いに越した事はありませんが、ミスが無い事を前提にシナリオを組立ててはいけません。このようなシナリオは単純なミスが起こっただけで破綻してしまうからです。
 ミスはある確率で必ず起こる事を前提にバッファーを考慮しなければいけません。例えば数年間滞納の経験が無かったという理由で、1戸の貸家の家賃が滞っただけでローンの返済が行き詰まるようなギリギリの資金繰りをしていたとしましょう。過去数年間起こらなかったというのは何も意味が無く、実際に滞納が起こったらアウトです。
 ルービンさんの回顧録に全て蓋然性という紹介が有りましたが、改めて私が言い直すまでもないのですが、物事は全てある確率で起こります。交通事故の死者がけしからんと言っても毎年7千人亡くなってしまうのです。

 だいたい愚か者は、起こった事に対しわかったような評論をします。しかし、このような人間の相手をする事は時間の無駄です。賢者は、何が起こるか予想し、起こる事で利益が出る仕組みを作り淡々と利益を上げて行くのです。ミスが起これば柔軟に軌道を修正すれば良いのです。君子豹変す。と言いますが賢者は方針変更に躊躇してはいけません。

 ミスを恐れてできるだけ新しい事をやらないようにするか、ミスを恐れずどんどん新しい事に挑戦して行くか、それは個人個人の生き方の問題で他人がどうこう言う話ではありません。ただ、人類の歴史は挑戦する者に多くの利益をもたらしたという事実を示している、そういう事です。

 そして、投資家は重要な意思決定をする時は複数の情報源から情報をとって裏付けを取らなければいけません。誰かの情報が間違っていたから自分も判断を誤ったなど子供の泣き言です。まあ、実社会でもこういう人間は多くて私など馬鹿につける薬は無いと思っているので何も言いませんが、常に最終責任は自分に有るという事を忘れてはいけません。

 忘年会のシーズンで給料が安い、金がほしい、こんな愚痴を聞く機会が多くなりました。しかし、こんなものは100万回唱えたところで状況は何も改善されません。私にはこういう先に繋がらない行為というものが全く理解できません。問題は解決策を考え行動に移す、それだけの事です。
 明るい未来も暗い未来も作っているのは現在のあなた以外の誰でもないのです。なぜこんな簡単な事がわからないのか本当に不思議です。未来というのは自分が蒔いた種を収穫するだけなのです。