マンション投資の鉄人

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第九の鉄人

宝の持ち腐れ。:オプチュニティを探す。

神奈川県厚木市在住 S.M.(不動産コンサルタント)

田植えの季節です。朝通勤の途中、信号待ちで止まっていたら国道沿いのかなり立地の良い水田で私と同世代の夫婦が田植えをしているのが目に止まりました。200坪は有りそうですから坪50万円で地価は一声1億円というところでしょうか。

奥さんは苗の箱を運び、主人は田植え機で苗を植えていましたが、非常に事務的でノルマのような雰囲気でした。何か主人の母親が先祖伝来の地を荒らすんじゃあない、と言っている姿が見えて来るような感じでした。しかし、果たしてこの水田からいくらのお米が得られるのでしょう、数百万円に届くのでしょうか。

機会損失なんて言葉も知らないのでしょう。昔からやっていた事を変えない、恐ろしい愚鈍ですが、実はこれは誰もが非常に陥り易い失敗なのです。



昔からやっている事を続ける、これ自身怠け者ではできない重要な事です。しかし、最近の環境の変化で老舗の多くが廃業したのも事実です。そう、私達は現在持つ財産や能力で他にできる事がないか考えなければいけないのです。

先祖伝来の質屋さんの二代目、三代目がブランド リサイクル ショップに転進しているのと同じ事です。こうやってビジネスを成長させて行くのです。これが、オポチュニティなのです。

もちろん、私が薦める高額の給与収入フローというアドバンテージを収入を生む不動産ストックに変えるというのもサラリーマンにとっては一つのオポチュニティという事です。



ただ、ここで気を付けなければいけないのは、持てる力がやろうとしているビジネスで競争力が有るという事です。全く競争力の無い所に資源を投入しても勝算は有りません。まあ、不動産の知識は私のエッセイを読んでいれば初心者としては十分でしょう。



世界の景気が怪しくなって来ました。だいたい期待が形成されたようなので大きな変化はまもなく起こるでしょう。人間の関与する社会的事象というのは面白いもので、こういう危機が起こる起こると言っている内に未来があたかも既成事実のようになってしまい、本当に起こるのです。



しかし、日本は好決算の後の設備投資や求人の好調と不透明な将来に備える引き締め行動が混在し非常にもやもやした状況にあります。これほど日常実感から景気の動向を感じるのが難しい事はあまりありません。しかし、こういう時期は不良在庫を恐れた売り手が売り急いで値引きが盛んになりますから、間違ってもつられて新築の投資マンションなど買わない事です。買った後でそれ以上に暴落するのは間違いありません。



車業界にいるからでは有りませんが、今年度このような好決算の後でも自動車が売れないのは、非常に奇妙だなあという印象を持っています。去年まではまだ不景気だしという良い訳が有りましたが、今年は違います。

GDPが変わらず、車が売れない。おそらく、所得が上層に移転して下層の方が新車が買えなくなった、というところでしょうか。



皆さん、現在の所得に安住してはいけません。日本の中~下層市場はまだまだ縮小します、企業はまた縮小するパイをめぐって熾烈な競争を展開するでしょう。原材料費が値上がりする中、切りたくなるのが人件費です。おそらく、中長期的に安泰のサラリーマンというのは無いでしょう。



さあ、皆さんもサラリーマンという田植えをしているだけでは勝つ事は無いという事に気付いて、自分のオプチュニティを探してください。