マンション投資の鉄人

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第二の鉄人

札幌中古区分所有マンション

東京都在住 加藤 隆

 2016年。あけましておめでとうございます!!
 2012年末、アベノミクスが始まり、3年が経過しました。又、2013年夏、2020年の東京オリンピック開催が決まり、2年が過ぎ、着々と、交通網等インフラ整備が進んでいます。アベノミクスの金融緩和・円安・インフレ誘導もあって、外国人の来訪も増え、北海道は、人気第1位になっています。観光客だけでなく、某国の暴買いもあり、不動産迄、現金纏め買いもされています。今、アベノミクスミニミニバブル、東京オリンピックで、首都圏では、家賃は上がらないのに、物件価格のみが上がり、その結果、利回り・キャッシュフローは、どんどん悪くなっています。利回り年5%等と言った感じになりつつあります。某国の暴買いのように、現金で購入できればいざ知らず、借入金を活用しての不動産経営では、通常、キャッシュフロー的には回りません。一旦、購入して、低金利で借り換えるとか、当面ニチメン、余剰資金で凌いで、高値で転売するとか画策するのはリスクが高いです。1990年平成バブル崩壊の時のように、突然、不動産融資禁止令が出て、不動産価格が大暴落するリスクもあり得ます。その場合、現金で購入しておくとか、家賃でローン返済できるように、資金繰りに余裕を持たせておけば、なんとか凌ぐことができます。そういった観点から言えば、札幌等地方の中古区分所有マンションは、低価格・高利回りなので、マッチしていると言えるでしょう。東京オリンピックについては、2020年開催に向けて、交通等インフラが整備されつつありますが、終わってしまえば、終わりです。1964年の東京オリンピックの際も、他の開催都市の場合も、過ぎてしまえば、反動があり、景気は低迷しています。首都圏で怖いのは、地震です。そして、地震によって引き起こされる二次災害としての、火災・建物倒壊・津波・原子力発電所爆発・放射能漏洩等です。地震・津波・サイバーテロ等で原子力発電所爆発・放射能漏洩等にでもなれば、そもそも、人が住めなくなります。リスク分散の意味も込めて、地方(札幌・博多等)に、不動産を保有しておくのもいいかと思います。一方、区分所有マンションではなく、一棟物アパート・一棟物マンション等も流行っています。これらになると、規模・金額も大きくなり、区分所有マンションのように、現金で購入するのは、某国の富裕層の暴買いでもない限り、我々貧乏サラリーマンでは難しいです。又、数千万円・数億円等、これくらいの規模・金額になると、もはや、サラリーマン大家等といった、素人・初心者ではなく、専業大家等、セミプロ、プロ、不動産業者等も参入して来て、熾烈な戦いになります。中には、悪質な金融機関や不動産業者もはびこっています。サラ金なみの高金利なのにもかかわらず、買主の故意・過失も無く、融資承認・金銭消費貸借契約締結後、融資白紙解約期限日を過ぎ、決済の前営業日になって、平気な顔をして、融資をドタキャンしたりする金融機関もあります。又、そういった場合等、売買契約が成立しなくても、不当に、手付金を返さない、違約金を請求する、仲介手数料を要求する輩もいます。自社の役員を売買の間にかませ、売買契約において、特約で、瑕疵担保責任を免れる輩もいます。土地や建物に、重大な瑕疵等、何かあったら、終わりです。区分所有マンションなら、取り敢えず、やってみるといった発想もあり得ますが、大規模一棟マンション等の場合、そういったトラブルがあると、一発で、玉砕・再起不能になりかねません。以下、「札幌・中古・区分所有マンション」について、メリット・注意点について、見ていきましょう!!

◎札幌
2015年11月6日(金)~8日(日)と、所用で、札幌・小樽に行ってきました。札幌は、2015年は、4回目です。ちょうど、7日(土)19時からテレビ「ブラタモリ」でも、札幌特集で報道されていました。(14日(土)は小樽です。)小樽の観光地でも、紹介されていますが、札幌は、ほんの100年程度前は、原野であり、わずか数人しか住んでいなかったとのことです。むしろ、港町である小樽等の方が栄えていました。流れ出た堆積岩で地盤が良く、広大な大地が広がっており、当初の農業等の開拓地として適していたのです。人口川を作って排水をすることにより、地盤はより強くなり、農業に適した栄養分も貯まってきました。そして、その後、農地は、住宅地として、変貌を遂げていきました。特に、札幌駅から南にかけてのエリア(札幌~大通~すすきの~中島公園辺り)がそうです。札幌駅から北側辺りは、弱冠低泥地が多いようです。概ね、「碁盤の目」に近く、「北2条西11丁目」等と、地名で、ある程度、位置も分かり易くなっています。ところで、計画的に造った町としては、金の採掘現場に近いからか、砂漠に水を引いて造ったアメリカのロサンゼルスもそうですが、こちらは、地震が多いですね。札幌には、以下のようなメリットがあります。
○地震列島と呼ばれている日本で、活断層の通っていない大都市は、札幌しかないとも言われていること。地震・火災・建物倒壊・津波・原子力発電所爆発・放射能漏洩、台風等のリスクが少ないというのは、大きなメリットです。東日本大震災後、私の知り合いも数人、札幌に引っ越しました。本社を札幌に移転した企業もあります。
○札幌は、梅雨がないこと。(昔は、そうとはつゆ知らずでした。)
○ゴキブリ・白蟻がいないこと。
○自然に恵まれていること。
○「BRICs」(ブラジル・ロシア・インド・中国)の一つロシアに近い等、地政学的なメリットがあること。
○食べ物に恵まれていること。じゃが芋・トウモロコシ等の野菜、蟹等の海の幸、肉・牛乳・ソフトクリーム・チーズ・バター、札幌ラーメン等、美味しいものが多いです。
○大自然・スキー場にも恵まれており、外国人の訪れたい場所ベスト10の半分くらいを占めていること。
○道路が広く、「碁盤の目」のように、街が整備されていること。
○首都圏・関西圏・中部圏に続いて日本第4位の経済圏であり、人口200万人の大都市であり、人口が増え続けていること。
○千歳空港・札幌駅間が直通で比較的近く便利なこと。
○札幌駅ビル再開発が完成したこと。
○北海道新幹線等プロジェクト・カジノ構想があること。
一方、札幌は、寒く、光熱費、除雪・排雪費用がかかること、礼金・更新料という制度が無く広告費が多いこと、物件供給過多気味にあること等といった注意点はありますので、資金繰りには余裕を持たせてやりましょう。

◎中古物件
中古物件には、以下のメリットがあります。
○価格が割安なこと。
○利回りが高いこと。
○残存耐用年数が短い分、節税効果は短期間に圧縮されること。
○建物を事前に見ることができること。
一方、中古物件には、建物・設備が古いこと(機能・技術、建築基準法)、残存耐用年数が短いこと、新築物件に比べ融資が受けられにくいこと、減価償却費対象の建物比率が低く節税効果が低いこと、修繕費が発生し易いこと、耐用年数が短く借入期間も短い為キャッシュフローが低くなりやすいこと、オーナーチェンジ物件の場合部屋の中が見られないことといった注意点はあります。

◎区分所有マンション
区分所有マンションについては、以下のメリットがあります。
○立地・環境がいい場合が多いこと。
○SRC(鉄骨鉄筋コンクリート造)で、地震・火災に強いこと。
○耐用年数が長い(47年間)こと。
○融資期間が長く、キャッシュフローが出易いこと。
○少額投資可能で、リスク分散し易いこと。
○少額なため、現金購入し易いこと。
○金利上昇、借金返済不能リスクが小さいこと。
○デフレーション時、借金の実質負担増が少ないこと。
○建物部分が多いため、減価償却費計上が多く、節税し易いこと。
○管理費、修繕積立金制度があり、管理、長期修繕計画が充実していること。
○人気が高いこと。
○土地が少ないため、デフレーション時の土地の値下がりリスクが小さいこと。
○1階を避けることもできること。
一方、区分所有マンションについては、一棟物と比べ規模が小さい為購入・融資受け・管理・税務申告等において都度手間暇・時間がかかること、一棟物と比べ1戸当たり単価が割高になること、減価しにくい土地が少ないこと、建替えには区分所有者8割以上の同意が必要で困難なこと、借入しにくくレバレッジをきかせにくいこと、金融機関によっては信用棄損になることもあり得ること、減価償却費((鉄骨)鉄筋コンクリート造47年・鉄骨造34年・木造22年等)において耐用年数が長く早期の節税はしにくいこと、管理組合・管理会社:管理費・修繕積立金制度があり自分でコントロールしにくいこと、一棟物に比べ土地が少ない為インフレーション時メリットを受けにくいこと、一棟物に比べ借入期間も比較的長く取れにくくキャッシュフローがでにくいことといった注意点はあります。
以上、総じて言えば、特に、サラリーマン等の方で、これから不動産経営を始めようと思っている方、取り敢えず、やってみようと思われている方にとっては、「札幌中古区分所有マンション」は、面白いと思います。因みに、私自身も、札幌には、中古区分所有マンション13戸・長屋1戸、小樽に中古戸建(2世帯用)を所有しています。皆さん、経済的・時間的・精神的自由を目指して、一緒に頑張りましょう!!
【加藤 隆:主な著書】
「サラリーマンだからこそ「節税大家さん」で儲けなさい!」(㈱東洋経済新報社)
「サラリーマン大家さん お金の借り方テクニック」(㈱東洋経済新報社)
「不動産投資で地獄を見た人の怖い話[リスク回避と収益アップ策]〜大家歴25年、数々の修羅場を乗り切った現役サラリーマン投資家が教える」(㈱ぱる出版)
「サラリーマンショック知らずの賢い資産の築き方」(㈱ごま書房新社)
「実例から学ぶ 不動産投資でお金を残す123のコツ -修羅場を切り抜けた大家歴26年の体験より-」(㈱ごま書房新社)
「資産1億円なんて簡単 インディペンデント・サラリーマン入門」(㈱青志社)
「アベノミクスで生き残るサラリーマンの条件 [Kindle版]」 (オープンアップス)
「会社を辞めずに経済的自由を手に入れる方法 ~株やFXよりも効率的に資産を増やすマンション・不動産投資術」(Tens Apps)(App Store)等